Decathlon(デカトロン)

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Decathlonは、欧州全体の7つの物流拠点を統合・標準化することで、効率とスケーラビリティを大幅に向上し、需要変動に柔軟に対応できる体制を構築するとともに、在庫欠品の抑制や作業環境の改善を実現しました。

Decathlonについて

初心者からトップアスリートまで、あらゆる人々に向けた製品を提供するグローバルな総合スポーツブランドです。世界中に101,100人以上の従業員と1,817店舗を展開し、1976年の創業以来、スポーツの楽しさとその恩恵をすべての人に届けることに取り組み続けています。

課題

Decathlonでは、ECと店舗の両チャネルで急速な成長が続いており、ECと店舗がそれぞれ独立して運用されていた従来の物流体制に大きな負荷がかかっていました。
こうした状況を受け、商品を店舗、さらには顧客により近い場所から供給できる体制へと転換するため、店舗補充の仕組みを再構築し、拡大する需要に対応する必要性が明確になりました。

Decathlonは、高度な自動化ソリューションの導入により、顧客ニーズへの対応力を高めるとともに、在庫予測のリードタイム短縮や在庫水準の最適化を実現したいと考えていました。
また、現場での手作業を削減し、オペレーターがより付加価値の高い業務に集中できる環境づくりも重要な目的の一つでした。

これらの取り組みは、複数の倉庫にわたって展開しつつ、既存業務への影響を最小限に抑えながら迅速に立ち上げ、早期に成果を創出することが求められていました。

この変革を実現するため、DecathlonはExotecとパートナーシップを結び、自社倉庫に最適化されたソリューションの設計を進めました。

Exotecのソリューション ― 欧州全体で標準化された7つのオペレーション拠点

従来の倉庫自動化ソリューションは、高度にカスタマイズされている一方で、個々の倉庫単体の運用に最適化されたものが一般的でした。
その結果、システムは柔軟性に欠け、ビジネスの成長や要件の変化に応じて拡張・変更することが難しいという課題がありました。

需要の拡大と既存倉庫の制約を背景に、Decathlonはフランス、英国、ポルトガル、ドイツ、イタリアにある7つの既存倉庫に、新たな自動化システムの導入を検討していました。

これに対しExotecは、標準化された自動化戦略を提案し、Decathlon向けに最適化した自動化ソリューションフレームワーク「Skyfleet®プログラム」を設計しました。
このフレームワークは、倉庫ネットワーク全体に適用されるものです。

各倉庫は、モジュール型の構成要素を組み合わせることで、ほぼ共通仕様のソリューションとして構築され、ExotecのWES(倉庫実行システム)であるDeepsky®によって統合・制御されます。

このアプローチにより、Decathlonは需要の変化に応じて、サブシステムやロボット、処理能力を柔軟に拡張・縮小できるようになりました。

システム概要

ロボットロケーション出荷能力(行/時間)出荷能力(アイテム点数/営業日)
150-200100,000-125,0003,000-4,000150,000-200,000

各拠点では、デパレタイザーや段ボール開梱機、RFIDトンネル、パレタイザー、ストレッチフィルム包装機といった設備を組み合わせ、入荷から出荷までの全工程を自動化しています。
さらに、これらすべてのシステムをExotecが一元的に統合・制御しています。

結果

オペレーション全体において、各倉庫を単一の拡張可能なソリューションで統合したことで、Decathlonはすでに具体的な成果を上げています。

例えば、ノーサンプトンのSkyfleet導入拠点では、オペレーション全体の効率が大幅に向上しました。
出荷準備に必要なスペースは17,000㎡から5,000㎡へと大幅に削減され、新たに確保できたスペースは保管用途に有効活用されています。

また、ピッキング業務に必要な人員も削減され、オペレーターは在庫管理などの付加価値の高い業務により多くの時間を充てられるようになりました。これにより、ピーク時の人員確保にかかる負担も軽減されています。

さらに、この変革は従業員体験の向上にもつながっています。日々の身体的負担が軽減され、1日の平均歩行距離は10kmから1kmへと大幅に削減されました。

保管効率と人員配置の最適化により、この拠点はコストとリードタイムの両面で高い効率性を実現しています。

これらの効果はSkyfleet全体にも波及しています。ポルトガルのセトゥーバル拠点では、1日の処理能力を2倍に高めながら、ピッキング時間を60%削減することに成功しました。

こうした効率性の向上により、Skyfleet®プログラムは店舗供給能力の拡大にも貢献しています。
フランスのフェリエール=アン=ブリ拠点では、従来は37拠点への供給にとどまっていたのに対し、現在では73拠点への供給が可能となっています。

導入効果

  • B2BおよびB2Cフルフィルメントの高速化:
    現在では、B2Bの配送センターからB2Cフルフィルメントセンターへ供給する体制が構築されています。これにより、店舗補充とECの双方で配送スピードが向上しただけでなく、在庫水準の適正化も実現しました。結果として、スペース・時間・コストの大幅な効率化につながっています。
  • 業務への影響を最小限に抑えた迅速な立ち上げ:
    各倉庫への導入アプローチを標準化したことで、初期導入で得られた知見を他拠点にも展開できるようになり、その後の導入をより迅速に進めることが可能になりました。その結果、最後の拠点は着手からわずか9か月で稼働開始に至りました。
  • 作業者の負担軽減と生産性向上:
    Skypod®ロボットが商品をオペレーターのもとへ直接搬送し、人間工学に基づいた作業ステーションでのピッキングや梱包を可能にします。これにより、長時間の歩行や重量物の持ち運びといった身体的負担が大幅に軽減されます。さらに、この標準化されたソリューションは直感的に操作できる設計となっており、トレーニングも容易で、現場へのスムーズな定着を実現しています。
  • 事業成長に応じた柔軟な拡張性:
    本ソリューションはモジュール型で構成されているため、需要の変化や処理能力の増加に応じて柔軟に拡張することが可能です。例えば、フランスのフェリエール=アン=ブリ拠点では、稼働開始後に需要増に対応するため、追加で13台のロボットを導入しています。このような柔軟性により、従来の高度にカスタマイズされた専用システムに見られる、数年で陳腐化してしまうリスクも回避しています。
  • 統合されたソフトウェア基盤による全体最適:
    Exotecは、本ソリューションの長期的な運用および保守を支援しています。各拠点はローカルで運用されながらも、WES(倉庫実行システム)であるDeepsky®を通じて管理基盤が統一されています。これにより、Skyfleet全体にわたる各拠点のパフォーマンスを可視化できるだけでなく、ベストプラクティスの共有や、ネットワーク全体でのオペレーション最適化が可能になっています。

DecathlonはSkyfleetプログラムを通じて、欧州の倉庫ネットワークを、柔軟に拡張可能な統合フルフィルメント基盤へと進化させました。

現在では、店舗補充は統合システム上で運用されており、変化する需要に対応しながら、スピード・信頼性・オペレーション効率を高いレベルで維持しています。